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伊藤忠商事の累乗平均逆システムにおける自己合成システム [システムトレード]

前回までの記事で、同一銘柄、同一ロジックのシステムでも、最適化対象期間や最適化対象指標の選び方によって、異なったシステムが最適システムとして採択される可能性について述べました。
その選択は、最終的には運用者の裁量に任される訳ですが、複数候補を合成した自己合成システムとして運用するという手段もあります。

そこで今回は、前回検討した伊藤忠商事の直近15年間における累乗平均逆システムにおいて、最適パラメータ(14,116)を有するシステムAと、同(130,12)を有するシステムBとを合成したシステムについて考えます。
合成比率は50:50とし、2005年11月1日~2020年12月4日の期間で作成しました。

以下に、自己合成システムの性能指標と資産カーブを示します。
システムトレード_性能指標_20201206a.png
システムトレード_資産カーブ_20201206b.png

線形指標の性能は2つの元システムのほぼ平均となっていますが、EERや年率リターン、CSRなどといった非線形指標に関しては、向上が見られます。
また、資産カーブを前回紹介した元システムと比較すると、両者の平均的な推移となっていることが分かります。

しかし、これらからは自己合成システムにおける性能向上効果が今一つはっきりしません。そこで、その効果を明確にするために、累積損益率チャートで比較してみます。

次図は、上からシステムA、システムB、そして自己合成システムです。なお、元システムのチャートは前回示したものと基本的には同じですが、比較しやすいように縦軸目盛を揃えています。
システムトレード_累積損益率_20201206c.png
システムトレード_累積損益率_20201206d.png
システムトレード_累積損益率_20201206e.png

ドテン運用時の累積損益率を比較すると、自己合成システムはシステムBよりも全体的に損益率が大きく、システムAよりもバラツキ、すなわちドローダウンが小さいことが分かります。
ピーク性能ではシステムAに僅かに及びませんが、直近性能では逆に勝っています。

買いトレード運用時で比較すると、自己合成システムの優位性は更に高まります。直近においては買いトレード休止期間があるものの、上昇基調にあることが分かります。
性能指標で比較しても、買いトレード時における性能は群を抜いています。

一方、売りトレードでは逆に性能を落としており、これがドテン運用時の成績を崩していることが分かります。
売りトレードの成績が悪いということは、同トレードを除外して運用、すなわち買いトレードのみで運用した方が、良好な成績を残せる可能性があります。

とは言うものの、売りトレードでも期待値がプラスであることから、そのままではドテン運用の方が多少なりとも期待収益が高いことは事実です。
しかし、直近性能が物語っているように、それは諸刃の剣でもあります。

それを解決できる可能性は2つあります。

一つはレバレッジを掛けて買いトレードのみを行うこと。1.4倍程度のレバレッジを掛ければ、ドテン運用と同程度の期待効率が得られます。
その際、ドテン運用時とレバレッジ運用時とで、充分にリスクを比較する必要があることは言うまでもありません。

そしてもう一つは、売りトレードのみで再度時系列分析を行い、新たな最適条件を見出すこと。その結果、十分な期待値を有する売りシステムが設計できたら、それと自己合成システムの買いシステムとを合成して、新たなドテンシステムを作成することが出来ます。

最大の課題は、そのような売りシステムが存在するかということです。これまでの検討では、ドテントレードに対して最適化を行った場合、買いトレードと売りトレードも同条件で最適となる場合が大半でした。
売りトレード単独で、それを覆すだけの十分な性能が得られるかどうか、大いに疑問があることは事実です。

そうは言ってみても、こればかりは実際にやってみないと何とも言えません。実際に売りトレードのみで時系列分析を行ってみて、ドテントレードの場合とは異なる結果が得られましたら、改めてご報告いたします。

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