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トルコリラ/円システムの試作 [システムトレード]

KFシステムクリエイターでは、基本的に日足データがあれば、どのような銘柄でも引け判定寄付き売買システムを作成することが出来ます。
実はKFデータマネージャでは、為替の日足データの取得も出来るのですが、今回、トルコリラ/円のデータを入手してシステムを作成してみました。

ただし、同データはあくまでヤフーファイナンス上のものであり、例えばGMOクリック証券上のものとは大きく食い違っている場合があります。
恐らく、他の証券会社でも同様であるため、試作したシステムは参考程度にしかならないことをご承知置きください。

そもそも、為替の場合、週初から週末まで途切れることなく市場は動いており、日々の引けや寄付きという概念がありません。そのため、週足システムならともかく、日足システムは実際には運用不可能です。
それならば週足システムを作成すればよいではないか、という声もおありでしょうが、為替は日々の変化が大きいだけに、その辺りの情報を除外することは得策ではありません。

結局、厳密なシステムトレードではなく、あくまで為替の推移の方向性を探り、エントリーやエグジットのタイミングを計る、という使い方にならざるを得ません。
それでも、闇雲にポジションを持ち続けるよりは、優位性の高いトレードを実践出来るのではないかと思います。

さて、入手可能なデータは2005年10月21日以降であり、直近データは前日のNYクローズ以降でないと入手できません。そのため、そもそもそこに大きなタイムラグが生じます。
また、FXトレードは通常、最大25倍のレバレッジを掛けることが出来ます。例えば、GMOクリック証券のFXネオでは、10000通貨単位で最大25倍のレバレッジとなります。

トルコリラの場合ですと、価格が14円としてその1万倍である14万円の投資金額に対し、その25分の1である5,600円の保証金で売買が可能になるわけです。
しかし、作成するシステムはあくまで1単位当たりの結果を示しますから、後でレバレッジ分を考慮し直さないといけません。それについては、後ほど検証します。

以下は、試作したトルコリラ/円システムの資産カーブを示しています。

200918a.png

ところどころスパイク状の起伏がありますが、概ね直線的に推移しています。ただし、次の累計損益チャートを見ると分かるように、トレードのほとんどは売りであり、買いトレードは申し訳程度にしかありません。
トルコリラ/円は長期下降トレンド状態にあり、売り以外で収益を上げることは難しい状況となっています。

200918b.png

ただ、2012年末から2013年半ばに掛けての小反発局面では買いに転じて収益を重ねており、必ずしもシステムが有効に機能していないという訳ではありません。
次の累積損益率チャートを見れば、その違いは想像以上に大きいことが分かります。

200918c.png

このシステムによって得られるローデータ(1単位、レバレッジ1倍)は以下の通りです。

期待効率:0.018円/株日
EER:1.23
損益累計:83.354円
プロフィットファクター:3.86
勝率:68.75%
損益レシオ:1.75
平均損益率:3.37%
平均リターン:13.02%
年率リターン:12.25%

これだけ見ると、大したことはありません。ただ、これにレバレッジを付加すると結果が大きく変わってきます。しかし、どれだけのレバレッジを掛けることが出来るかについては、精査が必要です。
そこで、ドローダウンをその時のトルコリラ価格で割ってみると、最大で30%程度であることが分かります。

すなわち、最大30%程度の価格変動に耐えうるだけの保証金を考えれば良いわけです。これは当然、価格水準で違ってきますが、現状で考えると14円の30%で4.2円となります。
すなわち、保証金が5,600円+42,000円の47,600円あれば、何とかドローダウンに耐えることが出来そうです。

ただし、これは買い建ての場合であり、売り建ての場合は30%の増加で最低保証金が7,300円ほどに増大しますので、トータル49,300円ほど必要になります。

更には、スワップポイントの支払いも加算されます。このシステムの売りにおける最大負け日数は、東京市場立会日基準で211日であり、これはカレンダー基準で320日程度となります。
スワップポイントは証券会社によっても大きく異なりますし、価格や時期によって常に変化するため一概には言えませんが、仮に平均的な売りスワップポイントを20円とすると、最悪で6,400円となります。

いずれにしても、ざっくり6万円の保証金があれば、10000単位のトレードにおいて何とか持ち堪えることが出来そうです。

それは、現時点においてレバレッジ2.3倍程度で運用することと同義です。
そこで、このシステムのレバレッジを2.3倍に設定して、各種性能を求めてみます。結果は以下の通りです。

期待効率:0.042円/株日
EER:1.23
損益累計:191.714円
プロフィットファクター:3.86
勝率:68.75%
損益レシオ:1.75
平均損益率:7.74%
平均リターン:29.95%
年率リターン:26.28%

何だか、今一つパっとしません。これなら通常の株式でも十分達成可能な性能です。まあ、リスクをかなり織り込んでの結果ですので、一概に比較することは出来ませんが、ちょっと残念に感じてしまいます。
せめて買いと売りが対等であれば、やりようはあるのでしょうが、トルコリラ/円に関しては、残念ながらそうはなっていません。

主要通貨である米ドルやユーロ等であれば、また違った結果になるのかもしれません。機会があれば、検討してみたいと思います。

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