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システム設計の方法論(4) [システムトレード]

次の図は、日産順張り逆システムにおける、KFインデックスのパラメータ依存性です。上段は2012年7月20日時点、下段は2007年12月28日時点の分布図です。
共に、赤丸の部分がKFインデックスが最大であり、それに対応する座標値が最適パラメータとなります。
KFIパラメータ依存01.png
KFIパラメータ依存02.png
驚くべきことに、これほど鋭い複数のピークを持ちながら、最適パラメータは4年半以上に渡って変わっていません。
図の青丸の部分は、現在のセカンドピーク(KFインデックスが2番目に大きい場所)を示しますが、4年半前の分布にもその存在がはっきりと見て取れます。

その当時は、緑丸部分がセカンドピークだったのですが、これはそのほんの数か月前までは最適パラメータに相当していました。
すなわち、それ以前から赤丸部分が徐々に大きくなってきて、遂に緑丸部分を追い抜いたということになります。

この時、既に現在のセカンドピークに相当する青丸部分もまた、大きくなっていることに注目してください。直近図においては、緑丸部分は跡形もなく消えてしまっていますが、青丸部分はセカンドピークの座を保っています。

さて、このように最適パラメータと言うのは、システムや目標性能の採り方によっては、非常に安定する場合があります。
最適パラメータが長期に渡って安定するというのは、そのシステムもまた長期に渡って安定することを意味します。

もしもシステムの安定度が低下し、資産カーブのロバスト性が崩れてきた場合、大抵のシステムでは、新たな最適パラメータが台頭して、そのパラメータでシステムを再び安定状態に保とうとするからです。

次図は、最適パラメータおよびセカンドピークの時系列分布です。合わせて、両者の差分も示します。
上段が最適パラメータ、中段がセカンドピーク、下段が差分です。
KFI時系列01.png
KFI2時系列01.png
KFI⊿時系列01.png
最適パラメータは直近4年半強に渡って、全く変化していないことが分かります。一方のセカンドピークの安定期間は、2年半ほどしかありません。
その前の1年半ほどの平坦部分は、5年前の最適パラメータを示しています。

すなわち、最適パラメータが4年半ほど前に現在の値に変化した際、それまでの最適パラメータがセカンドピークの座に落ちたことを物語っています。
3年前にはその座も追われ、若干の変遷の後、セカンドピークはほぼ現在の値に落ち着いています。

では、そのセカンドピークが、現在の最適パラメータに取って代わるのは、いつ頃なのでしょう?それが分かれば苦労はありませんが、少なくとも現在の最適パラメータが、安定状態なのかどうかは分かります。

最適パラメータとセカンドピークの差分を見ると、KFインデックスの差分が徐々に増加していることが分かります。両者の差分が0になった時が、最適パラメータとセカンドパラメータの入れ替わりを示しているわけですから、その差が広がっているということは、当面入れ替わりは起こらないということになります。

すなわち、現在の最適パラメータは、まだ当分その地位を維持し続ける可能性が高い、ということになるわけです。
最適パラメータが変わらないということは、そのシステムはまだ当分の間、安定して運用し続けることができます。

ちなみに、システム検証期間が3年に満たない段階では、最適パラメータが頻繁に移り変わっていることが分かります。
これはシステムが不安定であることを意味し、少なくともその状態で運用を開始した場合、頻繁にメンテナンスを行なっていく必要があります。

最後に、最適パラメータを適用したシステムの資産カーブを示します。このシステムは、2008年以降、一切手を加えていないことになります。
その間、何度かの停滞やドローダウンはあるものの、システムは順調に期待通りの収益を上げてきています。
回帰推定値01.png
今年の6月時点では、機能停止直前まで追い込まれましたが、その後の1カ月ほどで急激に回復し、最大資産残高を更新しています。
現在の最適パラメータを脅かす存在は当面なく、まだまだ期待が持てる状態です。

なお、最適パラメータが安定することは、システム設計の必要条件の一つですが、十分条件ではありません。
最適パラメータに変化がなくても、システムが機能停止する可能性はあります。

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