SSブログ

システムは1日先を予測できればよい [システムトレード]

システム開発の正攻法は、過去の事象から将来のリターンを予測することですが、そのためには観測する時間軸を統一しておく必要があります。
例えば、説明変数(過去の事象)として「前日の株価の増減率」、目的変数(将来のリターン)として「当日の株価の増減率」を採った場合を考えます。

この場合、数多くのサンプルの中から、「前日の株価の増減率」と「当日の株価の増減率」のペアを抽出し、それらの間の相関を調べることになります。
しかし、サンプルによって「前日の株価の増減率」や「当日の株価の増減率」の基準(定義)が異なっていたら、それらの相関を求めても意味がありません。

例えば、サンプルの内半分は「前日の株価の増減率」を、「(前日終値-前々日終値)の変化率」としているのに対し、もう半分では「(前日始値-前々日始値)の変化率」としていたとしたら、これらを同列に扱うことはできないわけです。
そのことは、「当日の株価の増減率」についても当て嵌まります。

そこで、「当日の株価の増減率」(目的変数)として「(当日終値-当日始値)の変化率」を用い、数多くのサンプルにおける説明変数(必ずしも1種類ではありません)との相関を求めて、相関に応じた重みを付けて結合すれば、デイトレシステムの完成となるわけです。

なお、これはもちろん、最も単純に考えた場合であって、実際には説明変数の選択に始まって、各変数を規格化したり、より詳細な分析に基づいて重みを決定したり、更にはそもそものモデル式を工夫したり、重みを可変にしたり、等の対応が必要かと思います(あくまで私が想像できる範囲ですが)。

さて、デイトレの場合はいいのですが、ではスイングトレードの場合は同様の方法を用いることができるのでしょうか?
一見、目的変数の取り方をどうすればいいのか、混乱してしまいそうです。

なぜなら、スイングトレードの場合は、エントリーしてからイグジットするまでの期間が決まっていないからです。
すなわち、デイトレの場合と異なり、目的変数の期間を一定にすることができないように思えてしまいます。

しかし、例えば目的変数として「(翌日始値-当日始値)の変化率」を用いれば、(寄付き売買の)スイングトレードシステムを構築することが可能となります。
もちろん、予測期間が長くなってしまう分、デイトレシステムよりは説明力は落ちてしまうでしょう。

それでも、説明変数と目的変数との相関に裏打ちされた、スイングトレードシステムを構築できるというのは、大きなメリットなのではないかと思います。
と言いますのも、一般的に目にするスイングトレードシステムの場合、テクニカル的なインジケータを用いたものがほとんどだと考えられるからです。

そのようなシステムは(私が運用しているシステムもそうですが)、それが機能することのファンダメンタル的な説明を行なうことができません。
あくまでも、テクニカル的なタイミングによって、売買を行なうことになります(もちろんそのことが必ずしも悪いことだとは思いません)。

一方、明確な説明力を持ったシステムであれば、より安心して運用することができるでしょう。そういった意味においても、前述のようなスイングトレードシステムは、検討する価値があるのではないかと考えます。

さて、そもそもデイトレシステムに比べて、説明力が劣るであろうスイングトレードシステムですが、必ずしもそうであるとは思いません。
なぜなら、日本の株式市場においては、夜間に株価が動くことが多いからです。

デイトレシステムにおいては、それをリスクと捉えれば、リスクを回避できると考えることができますが、それを収益機会と捉えれば、収益機会を逃すと考えることもできます。
ひょっとしたら、スイングトレードシステムにおける説明力不足を、収益機会の増大によって補えるかもしれないわけです。

最後に、なぜ目的変数として「(翌日始値-当日始値)の変化率」を用いれば、スイングトレードシステムが構築できるかについては、ここでは触れませんので各自お考えください。
ただ一つ言えることは、どんなに長期的なシステムであっても、1日程度先のリターンを予測できるだけでよい、ということです。

平均保有期間が数ヶ月に及ぶ長期トレードシステムであっても、数か月先のリターンを予測する必要はないのです。
あくまで、日々、翌日のリターンを予測していけばよいのです。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 2

たかとび

お疲れ様です。。
Kフローさんは三洋電機で働いておられたのですか?
三洋電機の炊飯器は最強ですよね。。
個人的に大好きです。。
by たかとび (2011-03-02 21:57) 

Kフロー

私が勤めていたのは、新潟や東北地方に生産拠点を持つ部品メーカーです(^_^;)
三洋電機のiDshotには、光磁気ディスクドライブ用磁気ヘッドの開発・生産で関わっていました。磁気ヘッドの開発が難航したことが、同ドライブの開発遅れの大きな要因の一つだったと思います(もちろんそれ以外にも要因はいくつかあったのですが)。

by Kフロー (2011-03-03 08:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。