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合成システムとマーケットニュートラル [システムトレード]

正逆合成システムに限らず、同一銘柄の複数システムを合成する場合、それぞれのポジションは合成比率に基いて加算されることになります。
例えば、2つのシステムを合成する場合、両者のポジションが共に買い(売り)なら合成システムも買い(売り)、買いと売りならポジションなし、となります。

この場合、買い保有時に株価が急騰すれば、合成システムにおいて大きな利益が見込めますが、逆に急落すると、大きな損失に見舞われます。
すなわち、合成システムでは、株価(市場)の急変に対してヘッジできない、ということです。

では、システムを合成することで、何故リスクが低減できるのかというと、それは単に、市場が急変した際に、それと逆方向にポジションを持っている確率が、低いためだと考えられます。
例えば、現在運用している日産順張り正逆合成システムは、全立会日の4割程度しかポジションを持っていません。

通常であれば、買いと売りのポジションを持つ確率は半々であり、そのため、市場急変時に逆方向にポジションを持っている確率もまた、50%程度となります。
一方、上記合成システムの場合は、市場と逆方向にポジションを持つ確率は、4割の半分で20%程度ということになります。

すなわち、株価の急変時にポジションを有している確率が低いため、総じて低リスクな運用が可能になると考えられます。
しかし、全体の4割しかトレードしないのであれば、それだけ収益も下がるのではないかと思われるかもしれません。

確かに、損益累計は(元システム内の)順張り逆システムの73%しかありませんが、複利リターンで比較すると87%にまで上昇します。
これは、標準誤差の縮小により、運用効率が上昇したためです。

また、単純に損益累計で見ても、4割ではなく7割になっています。すなわち、元システムにおいて不利なポジションの多くが、キャンセルされていることが分かります。
これは、(元システム内の)順張り正システムが、不利な方向へのトレードをキャンセルする、フィルタ的な役割を担っているためと考えられます。

このように、通常の合成システムでは、市場の急変に遭遇する確率を減らすことで、その影響を低減しているわけですが、別のアプローチとして、市場の急変そのものをキャンセルする手法も考えられます。
それが、いわゆるマーケットニュートラルということになるわけです。

前述の合成システムでは、元システムのポジションが加算されるように合成しましたが、市場の影響を受けやすい異なった銘柄の、システムのポジションが減算されるように合成すると、元システムは常に反対のポジションを持つようになります。
すなわち、市場が急変しても、原理的にはその影響をキャンセルすることができるわけです。

実際には、合成システムで期待値がプラスになるよう、元システムを選定したり、市場の影響度合いを揃えたり等、実運用に至るハードルはけして低くはありませんが、研究する価値の高い技術だと思います。

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