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最適化の本質(1) [システムトレード]

今、いくつかの可変パラメータを有する、トレーディングシステムがあるものとします。そして、このシステムを、想定し得る全期間に渡って最適化することを考えます。
最適化の対象としては、資産カーブが出来るだけロバストであるように、例えばRSQのようなものを想定してみます。

この時、得られた資産カーブのロバストネスが、全期間に渡って十分に満足できるものであるならば、このシステムは過去においても、上記で得られたパラメータを適用することで、良く機能していると言うことができるでしょう。

そこで、ちょっとした思考実験ですが、現在を過去のある時点に設定し、最適化は元々の現在、すなわち、設定上の未来において行なうことを考えます。
もちろん、このような操作は実際には不可能ですが、ここではあくまで思考実験ということでご容赦ください。

すると、このシステムは、設定上の現在から運用を開始した場合、少なくとも未来のある時点(元々の現在)まで順調に収益を伸ばし、機能し続けるであろうことは、容易に理解できます。

すなわち、あるシステムに対して未来の任意の時点で最適化を行なった結果、ロバストな資産カーブが得られるのであれば、そのシステムは本質的に機能する可能性を有している、あるいは少なくとも機能するパラメータを有している、ということが言える訳です。

もちろん、それは未来永劫機能し続ける訳ではないでしょうし、ある時点から先では、どんなパラメータを用いても、資産カーブをロバストにすることができなくなるでしょう。
それは、生存バイアスの結果に過ぎないのかもしれませんが、少なくとも有限の未来において機能するパラメータが存在する、という事実さえあればいいのです。

私たちがシステムを作成するに当たって、パラメータの最適化を行なう場合、通常は、将来に渡ってもそれが変化しないだろうことを期待します。
しかし、パラメータが将来に渡って変化しないことと、そのシステムが今後も機能し続けることとは、全くの別物です。

もう一度、前述の思考実験について考えてみます。この実験のポイントは、未来で機能するシステムのパラメータは、過去においても同一である、ということです。
すなわち、現時点のみで最適なパラメータというだけでは、この条件を満たしていない訳です。

少なくとも、相当程度の過去において客観的な方法で最適化を行なった場合でも、全く同じパラメータが得られなければなりません。
そのようなパラメータを有するシステムであって、初めて、将来に渡って機能する可能性がある、という、最低限の土俵に上がることができることになります。

これは、言葉を変えれば、最適パラメータの逆進性とでも言えるかと思いますが、この逆進性が得られるかどうかが、最適化の要件になります。
そのように考えると、なぜ可変パラメータの数が多いといけないのかが、よく分かります。

すなわち、パラメータの数が増えるほど、最適パラメータの逆進性を得ることが難しくなるからです。これは、パラメータに限らずフィルターについても言えることです。
そのような不確定要素が多いほど、過去に遡って客観的な方法で同一パラメータを得ることが難しくなることは、言うまでもありません。

過剰最適化というのは、将来に渡って機能するパラメータとは異なる、現在においてのみ比較的高い性能が得られるパラメータを選定した結果です。
もちろん、そのパラメータを、過去に遡っても客観的に得ることができるのであれば良いのですが、それが困難であるからこそ、陥ってしまう危険が大きいのです。

以上に述べてきましたように、最適パラメータの逆進性は、システムが機能するための必要条件であると考えますが、残念ながら十分条件ではありません。
最終的にシステムが機能するためには、そのようなパラメータが出来るだけ長期に渡って存在する必要がありますが、それは市場・銘柄やロジックそのものに依存する部分が大きくなるでしょう。

今回は、一先ずここまでといたします。次回は、最適パラメータの逆進性を担保するための方法について、考えてみる予定です。


PS.新潟明訓高校が、見事ベスト8に進出しました。次の対戦相手は、強豪の報徳学園です。ベストを尽くしてとは言いませんが、ベターな状態で戦って欲しいものです。
最近、新潟県勢の調子がいいのは、アルビレックス効果でしょうか?天地人効果でしょうか?渡辺謙効果でしょうか? それとも西山茉希効果でしょうか?

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