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システムトレードへのタグチメソッドの利用 [システムトレード]

最近、タグチメソッドについて、勉強し直しています。とは言いましても、簡単な入門書を読んでいる程度なのですが。
最近は、初心者向けの書籍の数も増え、タグチメソッドを修得するための環境は、随分整ってきているようです。

もっとも、大抵の人にとっては、タグチメソッドとはどういったものなのか、ご存じないだろうと思います(私もそんなに詳しいわけではありません)。
詳細につきましては、以下の書籍などをご参照いただきたいのですが、一言で言えば、品質を効率的に作り込むための道具、ということが言えるかと思います。

タグチメソッド入門 (日経文庫)

タグチメソッド入門 (日経文庫)

  • 作者: 立林 和夫
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 新書



入門 タグチメソッド

入門 タグチメソッド

  • 作者: 立林 和夫
  • 出版社/メーカー: 日科技連出版社
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 単行本


さて、タグチメソッドはどちらかと言えば、主に工業分野において活用されている技術です。それを何故、システムトレーダーである私が、もう一度勉強しようと思い立ったかと言いますと、その構成要素の重要な一つである「ロバスト設計」が、トレーディングシステムの構築に有用ではないかという思いが、日増しに強くなってきたからです。

あるいは、それは私の思い込みに過ぎないかもしれません。しかし、これまでに様々な検討を重ねてきましたが、従来の方法では越えることの出来ない大きな壁があることも事実です。
それが、システムの信頼性評価です。トレーディングシステムを作成し、それを様々な方向から評価してみても、それが将来に渡って機能するかどうかは分かりません。

もちろん、任意に作成したシステムの多くは、まともに機能しない場合が多々あるのですが、フォワードテストやら相関チェックやらシステム合成やら、吟味に吟味を重ねて、「これだ!」というシステムを絞り込んだとしても、それがその後も機能するかどうかは、残念ながら確実には分からないのです。

そんな時に思い出したのが、タグチメソッドです。その可能性については、今までのコラムでも何度か触れてきましたが、その時はただ漠然と考えていただけでした。
今回、何冊かの書籍を手にしたことで、一度真剣に検討してみようと思い立ちました。

タグチメソッドにおけるロバスト設計では、目標とする出力(シグナル)に対して、それを乱す要因(ノイズ)の影響を如何に小さくするかに主眼が置かれます。
今、資産推移をシグナルとし、市場環境をノイズとした場合、ノイズによって資産推移があまり影響を受けないパラメータ水準とは、どんなものかを考えることとします。

実は、このような発想は、タグチメソッドそのものなのです。そのことが、タグチメソッドをシステムトレードに利用できないかと考えた理由です。
もちろん、工業と経済とでは全く構造が異なりますから、上手くいく保証はありません。

また、普通に考えると、市場環境の影響を受けにくいパラメータなどという概念そのものが、矛盾しているようにも思えます。
でも、例えばパラメータの違いによって、そのシステムにおける資産推移のバラツキは大きく異なりますし、そういったことを体系的に検討できるのではないかという期待もあります。

現状においてシステムを作成する技術は数多く目にしていますが、システムを評価する技術、特に信頼性評価技術に関しては、一般に知れ渡っている範囲では、山本克二氏の以下の著書があるくらいです。

使える売買システム判別法 (現代の錬金術師シリーズ)

使える売買システム判別法 (現代の錬金術師シリーズ)

  • 作者: 山本克ニ
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2010/05/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


その内容につきましても、将来に渡って機能する可能性が高いシステムを見出す方法というよりは、機能しなくなったシステムを逸早く見つけ出すことに主眼が置かれています。
研究者などの論文を調べれば、目的に適う内容のものが見つかるのかもしれませんが、ちょっと私には敷居が高いように感じます。

タグチメソッドを学んだとしても、それを実際の場面に適用するためには、その対象に対する深い知識と洞察が必要になります。
そういった意味では、私がこの試みを実践するまでに、一体どれほどの時間を必要とするのか、見当がつきません。あるいは、そもそも無謀な挑戦なのかもしれません。

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