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最適パラメータとポテンシャルエネルギー [システムトレード]

トレーディングシステムにおけるパラメータを考える時、私はポテンシャルエネルギーをイメージするようにしています。
例えば、2つの可変パラメータを有するシステムの場合、そのパラメータを座標と見なし、最適化対象指標の値がどのように分布するかを考えます。

もちろん、その値がピークとなるパラメータを最適パラメータとするのですが、そこで問題となるのは、その最適化対象指標が持つ物理的な意味合いです。
以前から何度も述べていますように、私は最適化対象指標の分布は、むしろ急峻であるべきだと考えています。

それは、例えば重力場に捉えられたボールをイメージした時に、重力場の歪が急峻であるほど、そこからボールが抜け出すのに、大きなエネルギーを必要とするからです。
重力場の歪が小さい状態であると、そこに捉えられたボールは、比較的小さいエネルギーを得るだけで、空間を移動してしまいます。

パラメータと言うのは、その座標空間を構成する重要な要素です。その位置が不安定であるというのは、最適化対象指標の値が少し揺らぐことよりも、システムに与える影響が大きいと考えます。
すなわち、最適パラメータは、本来、ブラックホールのように、けして揺らいではいけないものでなければいけません。

では、最適化対象指標とは一体何を表すのでしょう?

これは言うまでもなく、そのシステムが持つポテンシャルエネルギーを表しています。逆に言えば、最適化対象指標を選定するに当たり、それが物理学におけるポテンシャルエネルギーと、同様の物理的構造を有していないといけないわけです。

その一例として考案し、実際に使用しているのが、KFインデックスです。これは、パラメータ空間に、極めて安定した状態を作り出します。
それは、KFインデックスが、ポテンシャルエネルギーと似通った構造を有しているからだ、と考えています。

例えば、累計損益を最適化対象にした場合、パラメータを最適化して以降、資産カーブの上昇率が変わっただけで、最適パラメータが変化する可能性があります。
一方、KFインデックスの場合、資産カーブが一定の範囲に存在する限り、最適パラメータが変化することはほとんどありません。

これは、振り子の運動に例えると、分かりやすいかもしれません。すなわち、累計損益を最適化対象にした場合は、振り子の位置が変わっただけで、最適パラメータが変化する可能性がありますが、KFインデックスを最適化対象にした場合は、振り子が振動している内は、最適パラメータが変化することはほとんどないわけです。

もしも、KFインデックスを最適化対象にしたシステムの最適パラメータが変化したならば、それは、振り子に何らかの外部的な力が加わったと考えることができます。
その結果、システムはそれまでの安定状態から抜け出して、新たな安定状態にシフトするか、あるいは不安定な状態に落ち込むかするわけです。

累計損益を最適化対象にした場合、最適パラメータの変化は連続的に起こる場合が多いですが、KFインデックスの場合は、変化が不連続に起こりやすくなります。
すなわち、ある座標から他の座標まで、連続的に移動するのではなく、瞬間的にシフトするわけです。

これは、離散的なエネルギー状態として捉えることができます。例えば、原子に外部からエネルギーが加わることによって、電子が外郭軌道に遷移するようなものです。
そのように考えていくと、安定したシステムの状態というのが、何となく分かったような気になってくるから不思議です。

以上は、あくまで推察であり、メタファーに過ぎません。また、現行のKFインデックスに関しましても、それが必ずしも最適の指標ではない可能性があることを、最後にお断りして、終わりにしたいと思います。

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