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究極のシステム [システムトレード]

究極のシステムを考えてみました。とは言いましても、これは実現不可能なシステムです。何故なら、データの先読みをしているからです。
以下に示すチャートは、日産自動車日次ベース寄付き売買究極システム(以下、究極システム)の資産カーブです。
100615001.png
普通に表示すると、Y軸表示がとんでもないことになりますので、0.056倍のレバレッジを掛けた結果を示しています。
テスト期間および運用期間はチャートに示した通りですが、もちろん意味はありません。

これが究極システムである理由は、始値ベースの前日比がプラスの時には必ず買い持ち、マイナスの場合は売り持ちになるように、(ドテン)売買シグナルを発生させているからです。
そのため、基本的に(簿価ベースの)ドローダウンはゼロなのですが、資産カーブは終値基準のため、日々の評価損分だけドローダウンが発生します。

それでも、必ず寄付きで売買するという制約条件があるため、日次ベースの寄付き売買システムとしては、最高の性能を有することになります。
他のいずれの日次寄付売買システムも、このシステムの性能を越えることはできません。

ちなみに、KFシステムクリエイターにおいては、追加システムもしくは合成システムを用いて、システムシートのQ列に始値の前日比、R列に2日後のQ列の符号を表示させ、AG列でそれを参照すれば、究極システムを容易に得ることができます。

昨日のコラムでも述べましたが、システムが機能していない場合は、株価の増減方向と保有玉の方向とが、無相関の状態にあると考えられます。
逆に言えば、株価の増減方向と保有玉の方向との間に、強い相関関係が認められるなら、そのシステムは機能していることになります(上記の対偶)。

さて、チャートを見ると分かりますように、究極システムであっても資産カーブのうねりは存在します。そして、資産vs株価チャートを見ると、資産カーブの滑らかさとは異なり、かなりノイジーで不規則な推移となっています。

これを見て、何かを思い出さないでしょうか?

そう、6月9日のコラムで示した、(全12システム合成)うねり取りシステムの回帰推定値チャートにそっくりなのです。
特に、資産vs株価チャートを比較すると、細かなピークの位置まで非常に良く一致していることが分かります。

比較しやすいように、以下にうねり取りシステムのチャートを再掲します。なお、資産vs株価軸の目盛は、究極システムのそれに合わせています。
100615002.png
ちなみに、なぜ究極システムのレバレッジを0.056倍などという中途半端な値にしたか、もうお分かりいただけたかと思います。
それは、うねり取りシステムとの比較を容易にするためだったわけです。

究極システムとうねり取りシステムの資産カーブを比較しますと、カーブのうねりの方向が概ね一致していることが分かります。
これは、資産vs株価チャートの類似からも予想されることです。

しかし、このままでは、資産カーブの細部の類似や相違が、今ひとつはっきりしません。そこで、究極システムに手数料という負のバイアスを加え、レバレッジを再調整してみます。
1株当たり手数料を10円、レバレッジを0.22倍とした結果が、次図になります。
100615003.png
大分、うねり取りシステムに近付きました。うねり取りシステムと比べて、直近の資産上昇率が大きくなっていますが、これは、うねり取りシステムの元システムの中に、直近において完全に機能停止しているシステムが含まれていることが、影響していると思われます。

さて、究極システムが完全に機能しているシステムであるとすると、それに類似した資産カーブを有するシステムもまた、機能しているシステムであると考えられます。
すなわち、うねり取りシステムは、直近においてこそ究極システムとの乖離が見られますが、少なくともそれ以前までは良く機能していたと言えるかと思います。

なお、究極システムを比較対象に用いるに当たって、そのままでは比較できないため、これまでに述べてきたような方法で、比較可能な状態に変換する必要があります。
レバレッジの変更は特に問題ないと考えますが、手数料を加味するということについては、合理的な裏付けはありません。

しかし、取り敢えずはあくまで仮定として、手数料を加味した究極システムの変換も許容すべきではないかと考えます。
ここでは示していませんが、手数料をいろいろと変えることで、さまざまなチャートパターンが得られます。それは、例えばロバスト性の悪い順張りシステムのチャートに似ていたりもします。

機能する実システムは1つとは限りません。同類の日次寄付売買システムであっても、非常に多くの機能するシステムが存在するとした方が自然です。
そして、究極システムからそれらのチャートパターンを模索するには、手数料というノイズを加えることが有効なのです。

最後に、現在運用中の日産順張正逆合成システムの資産カーブを以下に示します。なお、実際の運用とは異なり、レバレッジを1倍、元本を100万円に変更しています。
資産カーブの粗さは目立ちますが、直近においては、うねり取りシステムよりも、良く機能していることが分かります。
100615004.png

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コメント 2

Kフロー

チャートのアップロードが何故か上手くいかず、何度やってもチャート表示が正しく行なわれませんでしたが、何とか正常になりました。
18時22分以降の内容が、正しいチャート表示です。

by Kフロー (2010-06-15 18:24) 

Kフロー

marbeeさん、おはようございます。
いつもありがとうございます。

by Kフロー (2010-06-16 08:51) 

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