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合成株式システム [システムトレード]

多くのシステムを作成すると、それらの中には良く機能するものもあれば、ほとんど機能しないものもあります。
この違いは一体どこから来るのでしょう?

システムの対象銘柄のファンダメンタルな部分は取り敢えず無視して、ここではあくまで株価推移の違いについて考えてみます。
例えば、テクニカル分析に基く自己相関システムにおいては、この要請はそれほど不自然なものではないでしょう。

今、うまく機能しない2つの同一ロジックシステムがあるものとします。これらをそれぞれ単独で最適化しても、十分な性能が得られるパラメータは存在しません。
そこで、2つの銘柄を合成し、同時に売買することを考えます。いわゆるバスケット売買です。

合成比率は、いずれかの銘柄に偏らず、かつ、両者の取引単位の公倍数となるように決定します。実際の売買は、それらをまとめて行なうわけです。
例えば、100株単位のA銘柄(直近株価3,000円)を100株と、1,000株単位のB銘柄(直近株価300円)を1,000株、などといったように、組み合わせることになります。

そして、システムに用いる株価データは、元の株価をこれらの比率で合成したものになります。上記の例で言えば、直近株価が6,000円の100株単位で売買される合成株式として扱われます。
これをシステムに呼び込んで最適化すれば、合成株式に対するシステムとなるわけです。

さて、この合成株式の株価推移は、元の2つの株価推移を合成したものとなりますから、見かけ上はそれらとは異なった推移となります。
すなわち、それに対するシステム性能は、元のシステムの性能とは異なる可能性があります。

この場合、最適パラメータは通常、元のシステムのそれらとは異なりますし、その事実だけを持ってしても、合成株式システムの性能は、元システムの単純な合成にはなりません。
厳密に言えば、元のシステムのパラメータが合成株式システムのそれと同じであったとしても、元システムの資産カーブの合成と、合成株式システムの資産カーブとは異なります。

それは、合成株式に対して売買ロジックを適用する際に、多くの場合、元銘柄株式の1次結合ではなくなってしまうからです。
2つのシステムを合成してシステムポートフォリオを組む場合、それは線形となりますが、2つの銘柄を合成してシステムを組む場合は、元の銘柄に対して非線形となるわけです。

ということは、元銘柄のシステムがあまりよく機能しないような場合でも、合成株式に対するシステムが機能する可能性があるということです。
もちろん、これはあくまで可能性に過ぎない訳で、元システムのどれよりも高い性能を有する合成株式システムが存在することが、証明できているわけではありません。

しかし、この問題の場合、そのような合成株式システムが実際に存在することが確認されたならば、合成株式によるシステム性能の向上という可能性があることが証明されることになります。
それは、新たなシステム運用の可能性を示すことになるのかもしれません。

ちなみに、少し確認してみた限りでは、元システムよりも性能の高い合成株式システムを得ることは、結構難しいという感触となっています。
非線形であっても、元システムの影響が大幅に弱まるということはないのかもしれません。

なお、合成株式を用いることで、いわゆるユニバースを形成することができるかもしれません。個別株式システムでは信頼性が得られないような場合、合成株式を用いることで、信頼性の高いシステムを得ることが可能になると考えられます。

最後に、当然のことですが、株式合成数は2個に限りません。資金さえ許せば、225銘柄を合成することだって可能です。
何のことはない、これは日経平均株価を売買するようなものですね。

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