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正逆合成システムの本質 [システムトレード]

日産自動車の(順張り)正逆合成システムの運用を始めて2ヶ月近くが経ちましたが、その中でいろいろと気付いた点があります。
今回は、それらの点について簡単に述べたいと思います。

正逆合成システムとは、あるシステム(正システム)とその逆システムとを1:1で合成した複合システムです。
逆システムとは、正システムのシグナルを反転したシステムですが、その最適パラメータは正システムとは異なります。

当たり前ですが、正システムの売買シグナルをそのまま反転させただけでは、逆システムは正しく機能しません。
その状態では、例えば損益累計が負の極大値を取るからです。

逆に、正システムにおいて例えば損益累計が負の極大値を取るパラメータを、その逆システムに設定してやると、逆システムの損益累計は正の極大値を取ることになります。
このように書くと、逆システムの作成は簡単そうに見えますが、それをシステムに落とし込むにはかなり苦労するかもしれません。

さて、このようにして作成された逆システムを、正システムと同時に運用すると、はたしてどうなるでしょうか?
実は、これも単純に並列に運用するのと、合成システムとして運用するのとでは、その結果に違いが生じてきます。

単純に並列運用する場合は、正と逆の各システムは独立に動作します。それらを複利運用していた場合、時間の経過と共に、両者の建玉数に差異が生じてくるでしょう。

例えば正システムで買い、逆システムで売りとなった場合、運用開始時は互いに相殺して建玉なしとなりますが、時間が経過するとともにそれぞれの建玉数が徐々に異なっていき、少数の買いもしくは売りとなる可能性があるわけです。

さらには、それぞれのシステムの資産カーブの推移も、当然異なったものとなっていきます。そして、一方のシステムが機能しなくなった時点で、並列運用は終わってしまいます。

一方合成システムの場合、合成されるのはあくまでシグナルのみであり、資産推移は両システムで共有されるわけです。
その結果、合成システムを複利運用したとしても、例えば正システムの買いと逆システムの売りは相殺されて、必ずキャッシュポジションとなります。

また、その資産カーブも、単株運用の場合を除き、正システムと逆システムの各資産カーブを単純に足し合わせたものとは異なってきます。
そういった意味で、合成システムと並列運用とは、全く異なったものであることが分かります。

さて、順張りシステムをベースとした正逆合成システムでは、通常、株価が上昇トレンドを形成している状況で、押し目が発生した時に買いとなり、トレンドからの上方乖離が大きくなった時点で手仕舞いとなります。

あるいは、株価が下降トレンドを形成している状況で、戻りが発生した時に売りとなり、トレンドからの下方乖離が大きくなった時点で手仕舞いとなります。
したがって、先週のようにシステムの想定を超えた上昇があった場合には手仕舞いとなって、株価上昇の恩恵を受けられないことになるわけです。

もちろん、完全な順張りシステムであれば、先週の急騰で十分な利益を享受することができたわけですが、異なった局面においては大幅な損失を被る可能性もあるわけで、一概に何が正しくて何が間違っているかなどとは言えません。

ただ確かなことは、少なくともバックテストの結果では、深追いをしない正逆合成システムの方が、元となった他のシステムよりもドローダウンが少ない、ということです。
激しく変動する最近の相場の中でキャッシュポジションでいられることは、大きな安心感につながっています。


PS.本日、ユニカフェから株主総会開催の案内状が届きました。総会に出席する予定はありませんが、議決権行使書の返送は行なうつもりです。
ただ、その行使内容については決めかねています。心情的には第三者割当増資に反対ですが、株主にとってそうすることが最善かどうかにつきましては、難しいところです。

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