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可変ポジションシステムにおける性能指標の定義 [システムトレード]

可変ポジションシステムでは、従来システムにおける各種性能指標の定義を、大きく見直す必要があります。
例えば、買い増しや売り乗せ、そしてそれらの外しの売買をどう扱うかによって、得られる性能指標には大きな違いが生じます。

そもそも、買い外し等の際にはどの建玉を外すかに任意性があり、それによって結果に違いが生じてしまいます。
そこで、KFシステムクリエイターでは、最初に玉を建ててから最後に手仕舞うまでを1回のトレードとして扱っています。

すなわち、途中の買い増しや買い外し、あるいは売り乗せや売り外しは、トレードとしてカウントせず、その過程における損益の増減のみを評価するわけです。
例えば、買い新規もしくは買いドテンから、買い手仕舞いもしくは売りドテンまでを、1回のトレードとします。

途中で建玉数が増減すると、それに応じて日々の損益が1株当り損益とは異なった変化をしますが、トレード当りの最終的な損益の増減のみを評価すれば良いわけです。
最初に玉を建てた時の資産残高よりも、それらを全て手仕舞った時の資産残高が大きければ利益、小さければ損失となります。

性能指標の多くはトレード毎の指標ですので、可変ポジションシステムであっても、特に見直す必要はありません。
時価評価の指標の場合でも、建玉保有中の資産推移は変化しますが、それを含めての評価となります。

そのため、単純な従来型のドテンシステムと比べて、EERを向上させたりドローダウンを低減したり等、リスクを低減できる可能性があります。
もちろん、それらを意図的に行なうと、過剰最適化という落し穴に嵌ることになります。

さて、可変ポジションシステムは、フィルタを設定するなどして単独での運用も可能ですが、最も簡便かつ効率的な運用は、複数システムの合成システムとしての運用です。
例えば、同一銘柄の順張りシステムと逆張りシステムとを合成すれば、より安定した運用を行なえる可能性があります。

一例として、トヨタの順張りシステムと逆張り1システムとを1:1で合成してみました。各システムを2007年12月28日時点で最適化し、2009年7月30日時点の性能を比較したところ、大幅な向上が見られました。

その詳細につきましては後日ご報告いたしますが、ドローダウンが大幅に低減し、資産カーブのロバスト性が向上しています。
また、プロフィットファクターや年率リターンも増大しています。

2システムの合成システムは、元のシステムの重み付けを変更することにより、最適な合成比率を決定することができます。
この場合は1パラメータの変更でよく、2パラメータの変更を行なえば3つのシステム合成の最適比率を決定することができます。

また、順張りシステムと逆張りシステムの合成のように、異なったロジックのシステムの合成を行なう以外に、例えば同一ロジックのシステムにおいて、買いシステムの最適化と売りシステムの最適化とを別々に行ない、それらを合成してキャッシュポジション付きドテンシステムを作成することも可能です。

私自身もまだ可変ポジションシステムの検討を始めたばかりであり、全ての事例を確認したわけではありません。
システムそのものにもまだまだ細かなバグが潜んでいる可能性があり、それらの修正が急務となっています。

今後も予告なしに改定版をアップしていくことになると思いますが、お手数をお掛けいたしますことをあらかじめお詫びいたします。
何卒β版ということでご容赦ください。

最後に、バグということついでですが、データ取得更新マクロの調子がこのところ思わしくありません。特に、株価指数の取得に際し、前日の取得データが"0"になってしまうという問題が発生しています。
なかなか修正が思うように行かずご迷惑をお掛けしておりますが、今しばらくお待ちください。

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