SSブログ

建玉返済方法による信用金利負担の違い [投資・経済全般]

先日のコラムで、信用金利は建玉の返済方法によって異なることを述べました。もちろん、これは買い増しや売り乗せなどを行なった場合の話です。
また、それらを一括して返済する場合は関係ありません。

例えばうねり取りを行なう場合、株価の上昇に合わせて買い建玉を徐々に増やし、株価がピークに近付くにつれて建玉を徐々に外し、ピークを過ぎたところから徐々に売り建玉を増やして行きます。
もちろん、これは理想的な場合であり、いつもそのように上手く行くとは限りません。

簡単のため、買い建ても信用取引で行なうとします。今、株価1,000円で100株を買い建て、その後、株価が100円上昇する度に100株ずつ買い増し、300円上昇(300株買い増し)したところで、以降は100円上昇する毎に100株ずつ返済していくものとします。

すなわち、保有株の推移は、1,000円で100株、1,100円で200株、1,200円で300株、1,300円で400株、1,400円で300株、1,500円で200株、1,600円で100株、1,700円で0株ということになります。

また、売買は毎週月曜日に(上手いこと)行なわれたものとします。もちろん、実際にはこんなに都合の良い話はありません。

この時、買方金利3%として、金利負担がいくらになるかを計算します。
まず、買い増した分を価格の高い順に外していった場合です。この時のトータル金利は、次式で求められます。

 =(1000*(7*7+1)+1100*(7*5+1)+1200*(7*3+1)+1300*(7*1+1))
  *100*0.03/365
 =1038.9

続いて、いわゆる先入れ先出し法で建玉を外していった場合です。

 =(1000+1100+1200+1300)*(7*4+1)*100*0.03/365
 =1096.4

この例ですと、先入れ先出し法の方が5%強ほど金利負担が大きくなります。まあ、誤差と言えば誤差の範囲ですが、株価や建玉推移のパターンによっては、更に大きくなることがあります。
また、システムトレードのように、同様のトレードを何度も繰り返す場合は、それだけコスト差が蓄積されていきます。

また、うねり取り以外でも、いわゆるナンピン買いの場合も同様の事態が生じます。ただし、ナンピン買いは通常、現物取引で行なわれることが多いため、その場合は返済(売り)順序を気にする必要はありません。

もしも信用取引でナンピン買いを行う場合は、返済の順序としては建値の高い順に行なっていけば、金利負担が最小となります。
売り建ての場合も同様に、建値の高い順に返済を行っていけば、金利負担が最小となります。

ちなみに、以上は個々の取引についての話であり、納税などを考慮した場合は、必ずしも金利負担最小が資産残高最大になるとは限りません。
また、細かな金利差を気にするよりも、売買の対応を分かりやすくした方が、トレード成績にはプラスに働くかもしれません。

今回は、至極当たり前の話となりましたがご容赦ください。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。