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キャッシュポジション内包システムへの挑戦 [システムトレード]

2009年5月13日のコラムで、キャッシュポジションを持つシステムについて考察しました。そして、それを実現するためには、同一銘柄における買い専用システムと売り専用システムとを合成すれば良い、という結論を述べました。

その後、検討を続けた結果、買いと売りのシステムを合成するにしても、システムとしてキャッシュポジションを考慮した評価が行える必要があることが明らかになりました。
合成システムを作成するにしても、その評価部分は従来の単一システムと同じにすることが望ましいわけです。

逆に言えば、従来のシステムにおいて、キャッシュポジションの設定を可能にし、それを正しく評価できるようにすることで、合成システムへの移行が容易かつ適切に行えることになります。
システムをそのように改良することで、例えばその追加システムにおいて、2つのシステムのシグナルを単に合成するだけで、合成システムの評価が可能となります。

また、単一システムにおいても、キャッシュポジションを設定できるようにすることで、従来のドテンシステムにフィルターを設定することができるようになります。
例えば、順張りシステムにおいてトレンドが認められる場合のみ、売買を行うような設定も可能になると考えます。

問題は、現行のシステム(KFシステムクリエイター)において、実際にキャッシュポジションを設定可能な仕様に改良できるか、ということです。
そこで、今週に入っていろいろと検討を行なってみました。

その結果、事前に思っていたよりも難しくない作業で、キャッシュポジションを設定できそうなことが分かってきました。
もちろん、従来とはシグナル発生のフラグを変えてやる必要があるのですが、それによる他セルへの影響は限定的です。

現時点において、基本的なシグナル発生ロジックや、それによる損益およびその累計、様々な性能指標の算出まではできました。
あとは、手数料や運用後資産推移の計算式の修正を行なうのみです。

ただし、これが結構厄介です。現行システムにおいても、この部分の計算にはかなり苦労させられました。
完成がいつになるか分かりませんが、そんなに遠くない時期にご提供できるよう努めます。

この改定により、KFシステムクリエイターは日足ベース、引け判定、翌寄付売買のシステムにおいて、あらゆる運用パターンをシミュレートできるようになります。
もちろん、ザラ場の売買は想定していないため、場中の損切りなどの設定はできませんが、運用の確実性や評価結果の信頼性の観点から、最初から設計仕様には採用していません。

キャッシュポジション内包システムは、本来であれば理想的なドテンシステムに、収益面では敵いません。
しかし、キャッシュポジションを適切に設定することで、ドローダウンの軽減などが期待できます。

また、これは通常のドテンシステムにフィルターを適用するだけのように思われるかもしれませんが、一旦完成したシステムに後からフィルターを掛けるのとは異なり、フィルターすなわちキャッシュポジションを売り買いと同列に捉え、総合的に判断できることが大きなメリットとなります。

いずれにしましても、実際にシステムが完成した時点で、検証事例等をご報告したいと思います。

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