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運用後資産推移に関する考察 [フォワードテスト]

6月1日のコラムで、様々な運用条件下における運用後資産推移チャートを示しました。これらの結果は、トレーディングシステムのロジックやパラメータが全く同一であっても、運用条件の違いによってその後の資産推移が異なってくることを物語っています。

例えば、取引単位を考慮しない場合(1番目のチャート)と考慮した場合(2番目)とでは、先日の例ではドテン運用時の資産増加率に2倍近くの差がついています。
しかし、買い運用時には逆に取引単位を考慮した方が、資産増加率が大きくなっていることが分かります。

これは、最初のドローダウンにおいて、建玉数が少なく済んだためであり、運用開始当初は株価が高かったことも影響しているわけです。
逆に、取引単位を考慮した売りの方では、昨年10月の株価急落時に十分な建玉数が得られなかったため、十分な収益を上げることができませんでした。

また、3番目の、取引単位を考慮して元本を50万円に設定した場合では、運用当初の株価が5,000円を超えていたために、最初のうちは玉を建てることができませんでした。
そのために、運用後資産チャートが最初のうちはフラットになっています。その後、株価が下がったために、ようやく運用を始めることができたわけです。

4番目の元本20万円、レバレッジ2倍の場合も同様です。この場合は、最大40万円しか運用できないわけですから、株価が4,000円を割り込むまでは、運用後資産カーブはフラットになっています。
そして、初めての買い運用にうまく乗れたため、小額元本ながら大きな収益を得ることができたわけです。

5番目のチャートでは、取引単位は未考慮で、簿価評価の場合の資産推移を示しています。これは、1番目のチャートと比較するためです。
現在、買い持ちが続いていますから、その分の評価益が計上されておらず、時価評価の場合と比べると見かけ上は劣っているように見えます。

6番目のチャートは、1番目が複利運用であるのに対し、単利運用としたものです。この例では、単利運用の方が良好な結果が得られています。
これは、買いシステムのドローダウンの底付近で買い建てに転じたためで、複利運用時よりも多くの株数を購入することができたからです。

取引単位を考慮しない場合と考慮した場合とでは、2倍近い資産増加率の違いがあったのですが、長い目で見ればそれほど大きな違いにはなりません。
それを示しているのが、7番目と8番目のチャートです。

取引単位を考慮しない場合のドテン運用時の資産増加率は3.5倍ほどですが、取引単位を100株とした場合(実際には過去においては1,000株単位の時期がありましたが)でも3倍ほどになっています。
すなわち、2割弱ほどの違いしかないわけです。

運用期間が短いうちは、取引単位の影響が大きい場合もありますが、長期に渡って運用を続けていけば、やがてその差は縮んでいくということです。

これらの結果から判断すると、十分な資金がない場合でも、とにかく運用を始めてみればいいのかもしれません。
極端な場合、3番目や4番目の例のように、株価が下がってきていつの間にか運用が可能になる場合だってあるわけです。

いずれにせよ、同一システムであっても、実に様々な運用条件があり、それによって運用結果が大きく異なってくる場合があることだけは間違いないようです。

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