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サブプライムローンと汚染米 [雑感]

リーマン・ブラザーズの破綻によって、サブプライムローン問題は新たな局面を迎えました。日本のバブル崩壊になぞらえれば、ようやく山一證券破綻の段階に到達した、といったところでしょうか。
日本では、そこから経済が回復し始めるのに5年以上掛かっていますが、今回はどうなんでしょう?

サブプライムローン問題が表面化してから、まだ1年ちょっとしか経過していませんから、そのタイムスケールで考えると、回復までにはあと1年近く掛かるような気がします。
それでも、日本のバブル崩壊に比べれば、随分と速く時が過ぎているように感じます。

今週に入って、世界各国の株式市場は大荒れの展開が続いていますが、私は幸いにもトレード休止中であるため、ほとんど被害は受けませんでした。
もっとも、これはシステムのおかげというのではなく、完全に裁量による判断です。

ただ、従来のシステムに不安があり、多少なりとも危機感を抱いていたがために、システムを改善し、そのシステムへの乗換えを図ったわけですから、少しはシステムのおかげという側面があるかもしれません(笑)。

もしも従来システムを運用し続けていたとしたら、・・・そんなに被害はありませんでした。今日の時点で売り買い半々でしたから、結局行って来いで、若干の損失に留まっています。
ただ、ヤフーを運用していた場合、現状では買いHOLDでしたから、今日はストップ安ということになっていました。くわばらくわばら。

それにしても、当初はサブプライムローンの影響は軽微であると、多くの識者が語っていたのですが、ここまで深刻化するとはいったい誰が予想できたでしょう?
市場参加者が合理的経済人であるならば、ここまでの混迷は考えられないはずです。

例えば、サブプライムローンを細切れにして、真っ当な債権に10%だけ忍び込ませたとすると、通常であれば、サブプライム分が無価値になっても、全体としては高々10%の損失にしかなりません。
ところが、巨大金融企業が破綻するまでの損失を被ることになります。不思議です。

その背景には、米国の住宅バブルの崩壊があると言われていますが、それにしても、もう少し打つ手があったのではないかと思います。
いずれ、行動経済学の観点から、サブプライムローンの全容が解明されるのではないかと考えます。

最近の汚染米問題も、サブプライムローン問題と同じ構造をしています。汚染米があまりに細かく分けられ、多くの正常米に混入されたために、どこに汚染米が潜んでいるのか分からない状況になっているのではないでしょうか。

例えば、汚染米に基準値の6倍のメタミドホスが含まれていた場合、それが正常米に1割程度だけ混入されていたとしても、全体の汚染濃度は基準値以下になるはずです。
また、仮に基準値を超える濃度のメタミドホスが含まれていたとしても、直ちに健康被害につながる可能性は大きくはないと思われます(これについては異論があるかもしれませんがご容赦下さい)。

しかし、実際には、汚染米が混入している可能性があるという事実が強調され、それがどれくらいの割合で混入されているかということには、あまり触れられていません。
この構造は、サブプライムローンと同じではないかと思います。

すなわち、汚染米やサブプライムローンが含まれているという事実だけで、その商品価値がほとんどなくなってしまうわけです。
その背景には、人間の心理的な側面が大きく影響していると思われますが、それだけでは説明の付かない部分もあります。

例えば、サブプライムローンにおいて、問題箇所だけを抽出して取り除くことができれば、残りの部分は健全な状態になることは明らかです。
例えば、サブプライムローンを10%含んだ債権を、本来の価値の半値で買い取り、問題部分を取り除いた後に、本来の価値で売却すれば、大きな利益になります。

よく、サブプライムローンは細分化されすぎて、どこにどれだけあるのか分からない、などという声を耳にしますが、ある程度の上限は想定できるでしょう。
それでも買い手が付かない、というのは、その分別作業にそれ以上のコストがかかる、ということなのでしょうか。

最近、都市鉱山という言葉がありますが、サブプライムローンを含んだ債権は、ひょっとしたら同じように宝の山かもしれません。
もっとも、汚染米を含んだ米に関しては、願い下げです。

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