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裏デイトレの普及は収益機会を奪うのか? [雑感]

裏デイトレが広まって、多くの人が裏デイトレを行なうようになったとしたら、株価の動きはどのようになるのだろうか?裏デイトレは機能し続けるのだろうか?
なお、ここでは簡単のため、1銘柄で考えることとし、金利・手数料も無視することにする。

まず、純粋な裏デイトレが普及したとすると、株価の終値が上昇し、始値が下落する傾向が増すことになる。すなわち、日足が陽線となる度合いが大きくなる。
この時、裏デイトレとしては既に利益が上がらない状態となっており、いち早く異変に気付いたトレーダーは、主に2つの対応を取ることになる。

一つは裏デイトレを中止し、他のシステムや裁量トレードに戻ることになるだろう。
もう一つはシステムを改造し、例えばドテンやHOLDへの対応を組み込み、より複雑な株価の動きへの追従性を得ようとするだろう。
それ以外に、異変に気付かず裏デイトレを黙々と繰り返すトレーダーも存在するだろう。

この時点で、日足は陽線を多く含む形になっているわけだから、裏デイトレに係わっていないトレーダーは、株価が上昇基調にあると判断して買いを入れてくる可能性が高い。そうなると、相場に過熱感が生まれ、ギャップを空けて上昇する日も出てくる。
すると、裏デイトレを繰り返していただけのトレーダーは、再び裏デイトレで利益を上げるようになり、そのことにいち早く気付いた、一旦裏デイトレから離脱していたトレーダーの一部が、再び裏デイトレに参入してくることになる。

一方、裁量トレードに戻ったトレーダーの一部は、株価の上昇に合わせて買いを入れてくることになる。また、過熱感が高すぎると判断したトレーダーは、売りを浴びせてくることもあるだろう。
やがて、売りが優勢になってくると株価は下落を始め、陰線の割合が増えてくることになる。そうなると、再び裏デイトレのメリットが増大し、裏デイトレを行なうトレーダーが増加することになる。

そして最初に戻ることになる。

さて、ここでシステムの改造に乗り出したトレーダーはどうなっただろうか?

もし、過熱感が増して株価が上昇局面に入ったら、システム的にはHOLDサインが出ることになるだろう。したがって、大きな収益機会を得ることになる。
逆に、過熱感がなく、多くの日が陽線でありながら、株価が一向に上昇しない場合は、ドテンとなり、やはり大きな収益を得ることが出来るだろう。
このように、同じようなシステムであっても、常に一歩先を行くことにより、不利な状況を大きな収益機会に転じることが可能となる。

上の議論で重要なことは、現状のシステムや手法に凝り固まらず、常により多くの収益機会を得ようとするトレーダーが存在することにより、株価に流動性が生まれ、その結果、現状のシステムに凝り固まった人でさえ、収益機会を維持できる可能性がある、ということである。
もっとも多くの収益を手に出来るのは、果敢にシステム改造に立ち向かうトレーダーであることは言うまでもないが、機能不全を起こしつつある旧来システムにしがみついているトレーダーでさえ、収益機会が存在することは興味深い。

なお、果敢にチャレンジするトレーダーが一人もいない時はどうなるのだろうか?

その時は、恐らく、株価はほとんど動くことなく、微小なゆらぎの中で、ただ時間だけが過ぎていく状態になるのだろう。まるで、宇宙のエントロピーが増大し続け、やがて熱的な死を迎えるかのように。
しかし、現在の宇宙の中にも、生命活動を行なう我々のように、エントロピーを減少させる存在がある。同様に、現在の市場の中にも、積極的な行動で常に市場を撹拌しているトレーダー達が存在するからこそ、株価はダイナミックに動き、多くの収益機会を生み出しているのである。


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