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投資システムの運用管理 [システムトレード]

システムトレードを行なうにあたり、ドローダウンは避けて通れない。

私が以前作成した、裏デイトレベースのいくつかのシステム(現在もフォワードテスト続行中)では、トレードの大半はドローダウンの最中にあり、収益を更新している期間は、全トレードを通して2割前後しかない。
通常の揺らぎ程度の微小なドローダウンは全く問題ないのだが、時々見舞われる大規模なドローダウンでは、ドローダウン期間から脱して収益を更新するまで、多くの時間を要することになる。当然、その間のドローダウンそのものも大きく、資産に少なからぬダメージを与えることになる。

それらの大規模なドローダウンを避けることができれば、資産減少のリスクを最低限に押さえ、新たな収益機会に向けて、資金を温存することができる。

では、大規模なドローダウンを避けることは可能なのだろうか?

方法はある。以下にその一例を記す。

最終的な投資システムに対し、そのシステムにより得られる資産カーブが、上昇過程にあるか下降過程にあるかを判定して、上昇過程の時は売買を行い(Entry)、下降過程の時は全て手仕舞い(Exit)すればよい。手仕舞い後も投資システムそのものは稼動させ、再び上昇過程に入ったら売買を再開する。これを、投資システムの運用管理と呼ぶことにする。

EntryやExitの判断は、例えば、資産カーブがその移動平均線を下抜けたらExit、その後上抜けたらEntry、とすればよい。
もちろん、他の指標を用いてもよいし、いくつかの指標を組み合わせて判定してもよい。

ただ、ここに挙げた方法は一例に過ぎず、必ずしもこれで上手くいくというものではない。

特に、ロバスト性が高いシステムは、そもそも大規模なドローダウンが起こりにくい。元々バックテストでシステムを最適化する際、大規模なドローダウンが消失するようにしがちである。
そのようなシステムに対して運用管理を行なっても、多くの場合、期待収益率を低下させることになる。また、仮に大規模なドローダウンを抑制できたとしても、ドローダウン期間はほとんど短縮できないことが多い。

売り買い同等のドテンシステムでは、資産カーブが下落しだすとドテンを行い、再度資産カーブを上向かせるというフィードバックを働かせることができる。そのため、投資システムの運用管理そのものを内包したシステムにすることが可能である。

一方、買いのみから入る投資システムでは、資産カーブが下落しだすと、それを反転させる手段がない。そのため、投資システムの運用管理が必要となる。
ただ、上述したように、それは必ずしも期待収益を増加させるものではなく、大規模な資産の下落を一時的に凌ぐ程度のものでしかない場合が多い。

システムトレードにとって、投資システムの運用管理は極めて重要である。しかし、それによって収益が増加するといった類のものではなく、いわば、万が一の時の保険のような役割でしかない。期待収益の減少という、余計なコストが掛かることもまた事実である。
それでも、大切な資産を減少させないために、システムトレードを行なう際には、投資システムの運用管理を徹底するべきだと考える。


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