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システムトレード(その4) [システムトレード]

システムトレードの最大の問題点は、高効率、高ロバスト性のシステムを構築することが、極めて難しいということである。

もともとランダムに推移する株価の動きの中から、資産上昇に寄与する因子を効率的に抽出し、システムに反映させるということは、かなりの知力と労力と幸運がなければ困難であるように思わせる。

例えば、勝率を重視し多くのパラメータを判定材料にすることは、最もポピュラーな方法の一つであろう。しかし、そうすると、その勝ちパターンの出現頻度は著しく低下する。結果として、年間を通じての利益は期待に添えないものになるかもしれない。
一方、勝率をほどほどにしてでも売買の回転率を向上させれば、期待以上の利益を上げられるかもしれない。

いずれにしても、重要なのはロバスト性と効率であり、この2つがシステム全体として高い水準にあれば、どのような投資システムを組んでもよいのである。

ここで上に挙げた二つの例に代表されるように、投資システムには大きく二つのパターンがある。

一つはトレンドフォロー型で、比較的長周期の売買を行なうパターンである。判定基準に、チャート分析で用いられる様々な指標(オシレータ系も含む)を駆使することにより、株価推移の流れの中で、売買のタイミングを計る方法である。

この方式は、大きな波に乗ることが出来れば、大きな利益を期待できるものの、相場に方向感がない時などでは、利益を上げにくい。また、適切なタイミングで売買サインが出ないことも多く、システムの安定性に不安がある。
ただ、元になる指標はそれなりに裏付けが検証されており、多くの銘柄で普遍的に適用できる投資システムを構築出来る可能性がある。

もう一つはデイトレード型で、短期のサインや直近の日足・分足などを元に短期売買を行い、日々の利益を積み上げていく方法である。

この方式は、個別銘柄の特性に依存する傾向が強く、過去のデータの検証で長期に渡って利益を上げている銘柄やルールが存在したとしても、なぜそれで利益が上がるのかを説明することは難しい。そのため、過去において利益が上がっていたとしても、今後もずっと利益を上げ続けることが出来るかどうかは定かではない。
また、トレードあたりの利益率をあまり高く出来ないため、手数料を十分考慮に入れておかないと、利益以上に手数料が掛かってしまう、なんてことも起こり得る。

以上をまとめると、トレンドフォロー型は、汎用で中期売買×中利益、デイトレード型は、特定銘柄で短期売買×少利益、であると言えよう。

どちらが優れているかは実際のシステムで検証してみないと分からないが、年間あたりの売買回数×平均利益率が大きい方が良いことは自明であろう。
汎用か特定銘柄かについては、大きな問題ではない。汎用であっても、実際にトレードするのは最も利益が見込めそうな銘柄であり、そういう意味では特定銘柄と何ら変わりはない。


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