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システムトレード(その1) [システムトレード]

システムトレードというと、大規模なコンピュータシステムを駆使して、膨大な情報処理を行なってなされ、一般投資家には縁のないもの、という印象を持つ人が多いと思われるが、実際にはそんなことはない。

通常我々一般投資家が行なっている投資行動であっても、それを厳密にルール化でき、一意的に執行できるのなら、それはりっぱなシステムトレードである。

例えば、ある銘柄をゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売るという行動も、売買条件を厳密化すれば、システムトレードとなる。ここで、売買条件の厳密化とは、投下資金、売買タイミングをルール化する、ということである。
一例として、買いサインが出た翌日の寄付きで、運用資金で買えるだけ買う、というルールが考えられる。さらに、得られた損益をその都度運用資金に組み入れれば、複利効果を最大限生かすことができる。

一度ルールが出来上がれば、そのルールを用いて、過去のデータから資産カーブをシミュレーションできる。逆に、シミュレーション出来ないルールは、システムトレードには使えない。
例えば、頻繁に銘柄を入れ替える必要がある場合、その銘柄選択が投資家まかせであってはシステムトレードとは言えない。仮に何らかのランキング情報を元に自動的に選択していたとしても、それが少なくとも過去数年に渡って検証出来なければ、有効なシステムとは言えないだろう。

勢い、個人投資家レベルでのシステムトレードは、まずは銘柄を固定して行なうのが一般的であろう。その方が、ルール化しにくい銘柄選択をシステムに組み込む必要がなく、より容易にシステムトレードを行なうことが出来るからである。

ただし、銘柄選択が必要なシステムは不可能と言っているのではない。

銘柄選択という意味合いでは少し異なるが、複数銘柄を扱うという意味では、もっとも容易な例として、銘柄毎にシステムを用意し、それらのシステムでポートフォリオを組む、という方法がある。これは、資金量が多く単一のシステムではマーケットインパクトの影響を無視できない場合に有効である。もちろん組み合わせるシステムによっては、ロバスト性向上(リスク低減)の効果もある。

更に発展すると、複数の銘柄についてそれぞれのシステム(ルール)を作っておき、各システムの成績を判定するルールを別途設け、成績が良い上位システムでトレードを行なうようにするという方法が考えられる。これは、システムの成績に基づいてポートフォリオをダイナミックに組み替えることで、常に最大効率を維持しようという試みである。全体的なシステムは複雑になるが、不可能なことではない。

なお、システムトレードで個別株式を扱う例は、むしろ少数派である。個別株式では取引量が少なく、常にマーケットインパクトを気にしなければならない。そのため、現状のシステムトレーダーの多くは、株価指数先物や為替、商品先物市場で取引を行なっているようだ。


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