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分散と集中(その4) [システムトレード]

さて、今まで資産分散、銘柄分散、について述べてきたが、最後に時間分散について説明する。

株式を購入する時、一度に購入せず何度かに分けて購入することが推奨されている。これは数量の分散であるが、もう一つの側面を見れば、時間を分散していることになる。
時間分散のメリットとしては、一般に高値掴みのリスクを低減すると言われている。これは事実だろうか?

通常の株取引における時間分散は、ナンピンと何ら変わることはない。

例えば、ある銘柄をトータルで1万株購入する計画を建てたとしよう。
当然、最初は最も安いであろう瞬間を狙って購入する。ここで1万株全部を買ってしまうと、その後株価が更に値下がりした時に打つ手がない、と言うのが、分割購入を推奨する理由だ。即ち、万が一株価が値下がりしてもいいように、購入予定数を小分けにして買いなさい、と言うのだ。
首尾よく株価が下がれば、その後順次買い増して、平均購入価格を下げることが出来る。もし株価が上がったら、それで良しとして、当初の購入予定数に満たないままで値上がり益を狙う。

何か変だと思わないだろうか?

そもそも、株価が下落することを想定して株を買うだろうか?十分に下がりきったと確信して、あるいは、順調に上昇していると考えて買いを入れるのではないだろうか?それならば、下がった時のことを心配して、株を小分けに買うなんてナンセンスである。

同様に、当初の計画では購入予定数を決めているにも関わらず、株価が予定通り上昇したら、購入予定数に達しなくても良しとする、というのは、当初の収益計画に変更を迫るものである。
例えば、資産全体に対して5%の利益を目標にしていたにも拘らず、予定の数量の半分しか購入できなかったとしたら、その数で当初の予定を達成するために、株の売却予定を10%値上がり後に変更しがちである。これは即ち、何度も言うようにリスクの増大を招く。
5%なら利益確定できたのに、目標を10%に変更したがために5%の利益どころか、損切りを余儀なくされる事態に陥ることはよくあることである。

では、時間分散は行なうべきではないのか?

目的によっては効果的な場合もある。例えば、定期的に決まった金額ずつ株式を購入する場合である。これは、一般的にドルコスト平均法と呼ばれる。
これは長期投資が前提となるのだが、買いの平均コストを下げるのに有効とされている。即ち、株価が安い時は多く買え、高い時は少ししか買えないため、平均すると購入単価を下げられるというものだ。
個人が通常の株式でこの方法を取るのは資金的に無理があるが、会社の持ち株会や、「るいとう」などが、この方式の一例であろう。

しかし、うがった見方をすれば、定期的に腹一杯株を購入しているのと同じことであり、その瞬間瞬間の株式投資という観点で見れば、分散投資とは言えないだろう。

以上に述べたように、分散投資はあまり賢いやり方とは言えない。
では、どうすれば良いのだろうか?

その答えは、既に述べてある。そう、集中投資である。

ただし、単に株式に集中投資するのではない。高効率でロバスト性の高い投資システムに集中投資するのである。


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